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バイアグラについて

 

EDの経口薬について解説します。

院長:山本(医師)監修

1)バイアグラ®とは?ED治療の薬理メカニズム

 

バイアグラ®とは?|ED(勃起不全)治療の薬理メカニズム

 

(目次)

1)特徴(効果・効能)
2)バイアグラの対象者/a>
2)有効成分・メカニズム
4)使用における禁忌・副作用について

 

1)特徴(効果・効能)

 

バイアグラは、ファイザー社によって開発された経口のED治療薬で現在広く治療に使われています。バイアグラは、経口から投与できる薬剤ということで、侵襲性のより小さい治療を実現できます。

 

錠剤のものが一般的でしたが、最近では「バイアグラODフィルム」という名前のフィルム状のバイアグラも開発されています。水がなくても飲めることから、より携帯しやすいものとなっています。

 

その効果の持続時間としては、健康状態、食事内容などにより変化しますが、約5時間といわれています。

 

バイアグラはクエン酸シルデナフィルとも呼ばれます。勃起するためには、陰茎内の海綿体洞に動脈血が流入することが必要です。雨の日、室内に入るときに傘を細長いビニール袋に入れますよね。その時に使うビニール袋を想像してください。例えば、あの袋をある程度硬さをもつものにしたければ、一つの方法として中に水を入れると良いですよね。勃起するときの陰茎もこれと同様です。通常時は、勃起しないように、海綿体洞へと流れ込む血管は収縮しています。先ほどの例えでは、ビニール袋の入り口が輪ゴムで縛られ、水が入ってこないようになっています。

 

勃起時には、この輪ゴムが緩みます。輪ゴムが緩むときに大事な物質がNO(一酸化窒素)なのです。このNOの放出が低下すると今度はcGMP(サイクリックGMP)の蓄積が起こらなくなります。このことにより、輪ゴムが緩まず、結果としてEDになります。つまり、cGMPの海綿体内濃度が上昇すれば輪ゴムが緩み、cGMPの海綿体内濃度が下降すれば輪ゴムが締まるようになっているのです。

 

バイアグラはこのcGMPの分解を抑制します。したがって、相対的に海綿体内のcGMP濃度を上昇させるのです。こうして、勃起を促します。

 

2)バイアグラの対象者

 

EDには、心因性のEDと器質性のEDがありますが、このうちバイアグラの対象となるのは器質性のEDになります。しかしながら、その服用には安全性の面から注意するべきことが多くあります。チェックするべき項目としては、以下のようなものがあります。

 

年齢(65歳以上か未満か)、合併症および既往歴(糖尿病、高血圧、高脂血症、心疾患、脳血管障害、消化性潰瘍、視覚異常、肝疾患、腎疾患、血液疾患)、家族歴(心疾患)、薬歴(硝酸剤、降圧剤、抗血小板剤、CYP3A4阻害剤)、生活歴(喫煙、飲酒)、日ごろの運動、パートナーとの関係(恋人、妻、婚外)、体重、身長、血圧、肝・腎機能など
また、これらの条件からバイアグラを25mg投与するか、50mg投与するかを決めることになります。肝機能、腎機能障害、CYP3A4阻害剤併用、65歳以上などの条件があれば25mgになります。一方、50mgでも効果がない場合は、次の項目をチェックします。

 

1時間前に内服し性的に興奮したか、食後に服用したのではないか、リファンピシンのようなCYP3A4を誘導するような(バイアグラの分解を促進する)薬剤と併用していないかなどが問診されます。

 

3)有効成分・メカニズム

 

バイアグラは別名クエン酸シルデナフィルとも呼ばれるように、その有効成分はクエン酸シルデナフィルとなります。具体的なメカニズムについては、効果、効能の欄に記述しましたが、簡単にまとめます。勃起するためには、cGMPという物質の濃度が陰茎海綿体内で上昇する必要があります。

 
しかしながら、常に勃起していると、それはそれで困るので体内にはこのcGMPと呼ばれる物質を分解するメカニズムが存在します。このメカニズムを抑制すれば、相対的にcGMPの海綿体内の濃度は上昇します。お風呂をためるとき、浴槽に栓をしますよね。同じ量のお湯を入れても、栓をしている浴槽であればお湯は溜まりますし、栓をしていなければお湯は溜まりませんよね。このようにして、バイアグラは勃起を促します。

 

4)使用における禁忌・副作用について

 

バイアグラは、狭心症などの治療薬として用いられているニトログリセリンなどの硝酸薬と併用することは危険です。また、不整脈などの治療薬とも併用してはいけません。また、性行為じたいも心臓に負担をかける行為であります。循環機能(心臓や全身の血管系)に死病のある方は、バイアグラを服用する際には必ず医師と相談するようにしてください。

 

また、Pfizer社のサイトには以下のような方も服用しないように書いてあります。
・今までにシルデナフィル製剤を服用してアレルギーを起こした方
・心血管障害のために医師から性行為が不適当だと診断された方
・低血圧や高血圧の方
・脳血管に病気のある方や心筋梗塞を起こした方(過去6か月)
・網膜色素変性症(進行性の夜盲)と診断された方
・腎臓、肝臓の病気、赤血球の異常、白血病、多発性骨髄腫、血が止まりにくい病気、薬物アレルギー、胃・十二指腸潰瘍、遺伝性の目の病気、多系統萎縮症、高齢の方、陰茎に関する病気や奇形のある方、他の勃起不全治療薬・勃起補助器具を使用している方や手術を受けた方

 

副作用としては、気分が悪くなったり、頭痛が起こったり、ほてり、消化不良などがあります。また、一時的に眼に影響を与えることもあり、光の見え方が変わるなどということもあります。いずれにしても、副作用が出た場合はすみやかに医師に連絡するようにしましょう。

 - ED・経口薬