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ED(勃起不全)の原因について

勃起の仕組みとEDの原因を解説します

院長:山本医師(監修)

1)EDとは?
2)EDの原因
3)EDのメカニズム
4)EDの症状とは?
5)EDの治療・改善方法

 

EDの原因について

(目次)
1)男性のペニスはどのように成り立っているのだろう?
2)勃起はどのようにおこるのだろう?
3)どうしてED(勃起不全)になってしまうのだろう?
4)EDになると何が困るんだろう?
5)まとめ

 

(はじめに)

ED(勃起不全)やインポテンツという言葉を聞いたことがあるでしょうか? インポテンツ(Impotenz)はドイツ語由来で、英語ではED(Erectile Dysfunctionの略)と言い、こちらの名前のほうが馴染みがあるでしょう。EDとは陰茎の勃起がうまくできないために男性が性交できなくなる状態です。

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ED(勃起不全)は男性だけの問題ではなく、パートナーの女性も悩むことになる病気ですが、その悩みの内容からなかなか周りに相談しづらいですよね。そこでこの記事ではそうした悩みにお答えするべく、「男性のペニスの構造」から始まり、「勃起がどのように起こるか」、「なぜEDになってしまうか?」を説明していきたいと思います。途中難しい医学用語がいくつか出てきますが、わかりやすく解説していきますので最後まで一緒に学んでいきましょう!

 

1)男性の生殖器はどのように成り立っているのだろう?

勃起のメカニズムや、EDの原因を考える前に、基本の知識として男性生殖器の解剖を見ていきましょう。男性生殖器の主なものを図に示します。

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男性生殖器の主な目的は精子を作りそれを子宮に送ることで、新しい命を作り出すことです。
精子をつくる大切な所が精巣です。精巣は他にも男性らしい体つきにさせるホルモンを分泌するという役割も持っています。精巣で作られた精子は精巣上体、精管、射精管を通っていきます。精子には精嚢、前立腺などからの分泌液が混ぜられ精液となり、これが陰茎内の尿道を通って体外に排出されます。これが射精と呼ばれます。陰茎はおしっこを出すための大切な器官であるとともに、性行為の際に交接器としての機能を持っています。※図1はかなり簡略化してあります

 

2)勃起はどのようにおこるのだろう?

さて性行為の際に陰茎は女性の膣へ入っていきますが、射精をするために陰茎は固く上を向いている必要があります。
これが勃起という状態です。なぜこのようなことが起こるかを理解していただくために、陰茎の横断面を図に示しました。陰茎の中には先ほどお話したおしっこの通り道と、精液の通り道を兼ねている尿道が一番下を走っています。そして陰茎海綿体という2つのスポンジ状の構造物の中に陰茎深動脈という太い血管が走っています。陰茎深動脈が陰茎の細胞に酸素や栄養などを送り届けます。陰茎の上部を走っている血管が深陰茎背静脈です。

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(陰茎海綿体が血でパンパンに膨れて勃起する)
通常のときは陰茎深動脈の中の血液は陰茎海綿体の中に入っていきますが、すぐに深陰茎背静脈から回収されます。勃起するときは陰茎深動脈から陰茎海綿体の中へ入っていく血液の量がぐっと増えます。また深陰茎背静脈から回収される血液の量も制限されるので、通常時よりも陰茎海綿体にある血液の量が多くなりますね。ゆえに陰茎海綿体がパンパンに膨れて固くなります。つまり勃起した状態というのは陰茎海綿体に血液がたくさん入って固くなっているということです。

 

(勃起に必要な血の量は、副交感神経で調節される)
では、どのようにして陰茎海綿体の中にある血液の量は調節されているのでしょうか? 実は「副交感神経」というものが調節をしています。私たちの体には自律神経という神経があり、交感神経と副交感神経の2つに分かれています。簡単に言うと、交感神経は体をより動かしたいときに働き、副交感神経は反対に体を休ませたい時に働きます。例えば、運動をするときは交感神経の働きが強くなり、眠っている時には副交感神経がより強く働きます。

 

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勃起のときには副交感神経の一部である骨盤神経の働きによって起こります。また仙髄(骨盤の高さの脊髄)には勃起中枢という司令塔がいます。いわば、この勃起中枢という監督が命令を出すと骨盤神経という選手の働きによって勃起が起きるのです。もう少し詳しく言うと、性的刺激を私たちが感じたとき、脳でその情報が処理されて、仙髄の勃起中枢へその情報が送られます。すると勃起中枢から骨盤神経を介して、陰茎海綿体の血液の量が多くなり勃起が起きるのです。

 

3)どうしてED(勃起不全)になってしまうのだろう?

ここまで説明してきたように勃起には血液や血管、神経などが複雑にかかわっているのでしたね。これらが障害されたのがEDで、勃起が不完全になったりまったくできなくなってしまうのです。

 

<血液、血管が原因となっておきるED>

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陰茎海綿体の中にへ陰茎深動脈からたくさんの血液が入ってきて、さらにその血液が深陰茎背静脈へ出て行かないことで勃起が起きるのでしたね。ということは逆に言うと、陰茎の中へ血が入っていかない状態や、静脈を通って血液がどんどん外に出ていってしまう状態では勃起はおきないと考えることができますね。例えば、動脈硬化や高血圧によって血管がダメージを受けて、血管の壁がボロボロになってしまったときを考えてみましょう。血管にスムーズに血液が流れないため陰茎海綿体に血液がなかなか入らなくなりますね。

 

このような機序で勃起が起きなくなってしまいます。動脈硬化や高血圧などの生活習慣病と聞くと、心筋梗塞や脳卒中などの病気がまず思い浮かぶでしょうが、実はEDになることもあります。その他にも喫煙や過度の飲酒など、生活習慣の乱れは血管にダメージが蓄積されることになり、長期的に見るとEDになる可能性があります。

 

<神経が原因となっておきるED>

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正常なときの勃起には、仙髄の勃起中枢や骨盤神経といった副交感神経が関わっているのでしたね。こうした神経が陰茎海綿体に入ったり出たりする血液の量を調節しているのでした。ということは勃起を司っている神経がダメージを受けて正常な働きができなくなると、勃起がうまくできなくなりますね。

 

(医学の分野では病気の状態は正常の裏返しです。)例えば脳卒中などで脳が正常な働きを失ってしまったとしましょう。脳から仙髄の勃起中枢へ情報がうまく伝わらなくなると血液が陰茎海綿体に溜まらなくなってEDになることがあります。他にも交通事故などによって脊髄が傷ついたとき、または手術のときに誤って骨盤神経を傷つけてしまったときはやはりEDになる可能性があります。

 

<心理的な原因によっておきるED>

 

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ここまで見てきたEDの原因は、何かもともとの病気の原因があってそれによっておこるものでした。この章で扱うEDは心理的な原因によっておきるものです。実はEDの中で最も頻度が高いのはこの心理的な要因によるものです。例えば「初めての性行為のときに緊張しすぎて勃起しなかった」というお話がありますね。

 

緊張している状態は交感神経の働きが強い状態です。勃起は副交感神経の働きで起きますが、交感神経の働きが強すぎる時には勃起が抑えられてしまうのです。他にも「妻に対してだけは性行為のとき勃起しない」という悩みもあります。何度も性的な関係を持っているうちに次第に性的興奮を覚えなくなり勃起しなくなったという事例も、心理的な原因によっておきるEDになります。

 

 

4)EDになると何が困るんだろう?

 

ここまでEDの原因を見てきましたが、いったいEDになると何が困るのでしょう? 男性にとって1番困るのは性行為ができなくなることですね。また性行為の際に射精ができないと不妊の原因となります。

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そもそも勃起しないと射精はできないので、EDのため不妊の原因となってしまいます。子どもが欲しい夫婦にとっては切実な問題で、もはや男性だけの問題に留まりません。EDに対しては男性はもちろん、パートナーの女性にとっても大きな悩みの種になるのでしっかり治療をしていくことが必要なのです。

 

 

5)まとめ

いかがだったでしょうか? この記事では男性生殖器の解剖から始まり、勃起のメカニズムを血液、血管、神経の働きから勉強して、EDの原因となぜ治療をしなければいけないかを見てきました。ここでもう一度大切なところを振り返っておきましょう!

 

◆:EDとは勃起がうまくできずに性行為に支障をきたす状態である。

◆:陰茎深動脈から血液が多く入り、深陰茎背静脈に回収されづらくなると、陰茎海綿体に血液が充満し勃起がおきる。

◆:陰茎海綿体への血液の充満には副交感神経、仙髄の勃起中枢が関わる。

◆:EDの原因には血管が原因のもの、神経が原因のもの、心理的な原因のものがある。

◆:EDは不妊の原因となるので治療が必要である。

 

この記事で学んでくださったことをもとにして、他の記事ではさらに深く学ぶことができます。EDの原因についてもう少し詳しく掘り下げているものや、どのように治療をしていくかを説明しているものなどがありますので、興味のある方はそちらも読んでみてください。最後までお付き合いくださりありがとうございました。

 

 - ED(勃起不全)全般