射精障害、早漏についての解説

1)多くの人が悩みを抱える射精障害・早漏

射精障害、早漏は珍しいことではありません。

◆「いくのが早すぎて相手を満足させられない」
◆「逆に最後までいけずに自分も相手もモヤモヤ…」
◆「オナニーならいけるのに、パートナーとのSEXになるといけない」

こんな風な「射精」についての悩みを、実は男性の多くが抱えているといわれます。

「勃起はするのに射精できない」そんな状態を、一般に「射精障害」といいます。 「早漏」も射精障害の一つと考えられています。

これまで日本では、早漏や射精障害といった問題は見過ごされる傾向にありました。 これはとても残念なことでしょう。

2)射精障害の診断と現状

実際にどれだけの方が早漏や射精障害に悩まされているか?知りたいと思いませんか? ただ、これについての統計はあまりないのが実情です。

とはいえ、「日本では500万人にも及ぶ男性が早漏である」とする報告もあります。決して珍しい悩みではないといえるでしょう。まずは、射精の仕組みを書いてみます。

◆「精液の尿道への排出」
◆「内尿道口の閉鎖」
◆「尿道口からの精液排出」

…とにかく、たくさんの複雑な仕組みが絡み合って起きるわけです。 そんな仕組みのどこに障害があっても、射精障害は起きます。そのため、射精障害の原因はさまざまであり、不明な点も多いのが現状です。 例えば糖尿病、腎不全といった病気が射精障害の原因になっていることもあるでしょう。 また、心理的な問題も考えられます。確かに射精障害の原因としては、上に挙げた射精の仕組み-つまり物理的な問題-もあるでしょう。しかし、実際は「心理的な問題」によるケースも多いのが現状です。

ある調査によれば、次の理由も「膣内射精障害」や「早漏」の原因だそうです。

◆精子が外に出ずに膀胱のほうへ流れてしまう「逆行性射精」
◆そもそも「射精反射がない」

「膣内射精障害」と「早漏」について、もう少し詳しく見てみましょう。

3)膣内射精障害の原因

「膣内射精障害」とはどんな状態でしょうか? マスターベーション(オナニー)では射精できるのにSEXで女性の膣内に射精できない こんな状態をいいます。これは、男性が行うオナニーの方法に原因があるとされています。

例えば、もっともポピュラーなオナニーの方法である手淫を考えてみましょう。 この時ペニスを強く握りすぎているとどうでしょう?膣の圧力による刺激が手淫の刺激に遠く及ばず、射精に至らないこれは簡単に想像できるかと思います。また、布団や床などにペニスをこすりつけたり、押したりしてオナニーをする、いわゆる「床オナ」も問題となります。

SEXによる膣の刺激とは違う‘’シゲキ‘’に慣れてしまっているとどうでしょう? いざパートナーとのSEXとなったときに、膣の刺激ではいけない場合があります。

4)膣内射精障害の対処法

現実的にできる対策としては、以下のようなものが考えられます。

◆オナニーの方法を変える

ペニスを強く握りすぎず、床オナはやめて手淫にします。

◆カウンセリング

パートナーとのSEXに心理的問題やストレスがある時に有効です。

◆適度な禁欲

毎日のオナニーは控え、2~3日置きに行うようにすることも効果的です。

◆性生活の見直し

フェラチオによる射精には問題がなければ、フェラチオを徐々にSEXへと繋げていくのも効果的でしょう。 また、女性が男性にまたがって女性にオナニーを行ってもらうなどして(いわゆる素股)、 射精の時に膣内へ挿入を試すやり方もあります。

5)膣内射精障害の治療薬

最近では、膣内射精障害に対して「トフラニール」や「ネオスチグミン」、「フィオスチグミン」などといったお薬で効果がある、といった研究がされております。なお、膣内射精を目標とするのではなく、不妊を見据えた治療もあります。膣内射精障害のため子供を授かれない=「不妊」の治療を目標とするということです。この場合、男性の体内から直接精子を採取して受精させる体外受精が可能となっております。

早漏とはどのような症状なのか? 「早漏」とは何でしょう?一般的に言えば、 本人がまだ射精するつもりがないにもかかわらず、膣への射精直後・または挿入直前に射精してしまう そういった状態を早漏、といいます。

逆に、射精開始に非常に長い時間を必要とするものを「遅漏」といいます。 とはいえ、頻度として最も高いのは「早漏」である、といわれています。

勃起不全(ED)、膣内射精障害と並ぶ、男性性機能障害の原因の一つです。 特に、性経験の少ない若い男性に多いとされています。

早漏に悩まされている患者さんは多いとされています。 全男性の実に8~30%は早漏であるといわれるほどです。

最初に書いたように、日本では早漏が500万人にも及ぶとする報告もあります。 決して少ない射精障害ではないといえるでしょう。

「ただちょっと射精するのが早いだけでしょ?」などとあなどるなかれ。 例えば、挿入する前に射精してしまう場合は妊娠しにくくなりますね。 不妊の原因になる、といったことは十分に考えられます。

6)早漏の診断基準

では何をもって早漏とするか? これは専門家や学界によって意見がまちまちです。 そのため、これといった診断の基準がないのが現状です。

例えば「DSM-5」という診断基準を見てみましょう。

1)射精するまでの時間
2)頻度
3)症状のとらえ方

これらを診断の手掛かりとしています。

具体的には、以下の3つがあれば「早漏」である、といえるわけです。

1)射精するまでの時間

パートナーとのSEXの時、膣挿入から約1分以内で、射精するつもりがないのに射精が起きてしまう。 これを前提としています。

膣挿入から射精までの時間によってさらに重症度が分けられていて、

・「膣挿入から約30秒~1分以内に射精が起こる」ものを軽度
・「膣挿入から約15~30秒以内に射精が起こる」ものを中等度
・「性行為前、性行為開始時、または膣挿入時から約15秒以内に射精が起こる」ものを重度

としています。

2)頻度

1.に挙げた症状が、

・少なくとも約6カ月間は続いている
・SEXにおいてほとんどいつも、もしくは必ず起きてしまう

これを前提としています。

3)症状のとらえ方

1.で挙げた症状が、その人にとって苦痛となっていることを前提としています。 例えば、射精までの時間が早いせいで以下の問題が生じます。

◆お互いにSEXを楽しむことができない
◆パートナーが満足しない

そういった場合がこれにあたります。

ただし、他の病気やお薬、重篤なストレスなどのせいで以上のような症状となっているものは除きます。

このように、早漏は検査やデータなどで「客観的」に測定する検査方法がないのが現状です。

現実的には、パートナーとのSEXの満足度が下がるのであれば、それは問題だといえるでしょう。 膣挿入から射精までが1分以上であってもです。もともと女性のほうが性的快感に達するのは遅い傾向にあります。早漏によってパートナーとの間で亀裂が生じることすらありえます。

そのため、診断するには「どういう状態なのか?」といった症状や、その方の人間関係、早漏に対するその方の不安などを訊くといった「丁寧な問診」が必要となります。

7)早漏のおすすめではない対処法

さて、早漏の対処法としては、ちまたでは以下のものがいわれます。 しかしながら、これらの方法は危険があるので推奨されません。

1)スクイーズ法

射精寸前でペニスを手でギュッと圧迫して、射精を止める方法です。

これは、無理やり射精を止めている状態となります。図を見てください。 こんな風に、尿道への出口を塞がれた精液が膀胱へ逆流する恐れがあります。

これを逆行性射精、といいます。射精障害となる可能性もありますので、推奨されません。

2)セマンズ法(スタート・ストップ法)

最も有名な早漏対策の一つで、古くから行われてきた方法です。 射精しそうになったら動くのをやめて、射精の波が収まったらまた再開する…というのを繰り返します。 これについては本当に効果があるのか?と疑問視されています。 また、無理やり射精を我慢すればやはり精液が逆流する恐れがあります。推奨されません。

3)コンドームを重ねる

コンドームに厚みを持たせることでペニスの感度が鈍ります。 すると射精までの持続時間が長くなる、という観点から行われているようです。

ただし、この方法については実際に効果があることを示したデータがあまりありません。 また、コンドームが破れてしまう可能性があります。避妊・性感染症予防という点から推奨されません。

8)早漏の治療薬

お薬としては、「ダポキセチン」というお薬で効果があることがわかってきました。 ダポキセチンは抗うつ薬としても使われています。ヨーロッパでは既に早漏治療薬として認可されています。日本でも、厚生労働省の許可を得て輸入がされています。

また、「リドカイン」といった麻酔に使われるお薬のクリームもあります。 これを塗ると、ペニスの感度が下がって射精までの時間が長くなる、とされています。

こういった治療薬については、医師の処方が必要となります。 「射精障害」や「早漏」とった診断も含めて、やはり十分な医師の診察が必要となります。