ICI療法(陰茎海綿体注射)の対象|バイアグラなど経口薬が使えない方へ

多くの方が、「バイアグラ」はご存知でしょう。 バイアグラは、ED(勃起不全)の治療として使われるED治療薬です。 ED治療薬としては、他にレピトラやシアリスがあります。

さて、そんなED治療薬は、EDの実に80%ぐらいで効果があるとされています。 約8割に効く――確かに、実感としては多いかもしれません。 でも待ってください、それじゃあ残りの20%は一体どうなるのでしょう。見捨てるというのでしょうか?

どうしてバイアグラではダメなの? 「バイアグラではダメなEDの方がいる」

これには、大きく2つの理由があります。

1)まず、バイアグラが使えない方

「ED(勃起不全)」と一言にいっても、バイアグラが使えないことが多々あります。 とはいえ、このページは処方箋でも論文でもないので、バイアグラが使えないケース全てを挙げることはしません。 自分が抱えている病気があってもバイアグラを飲んで良いか? これについては、医師に相談してみるのが良いでしょう。 今回は例を挙げて説明します。 例えば、以下です。

・心疾患のある方
・高血圧の方
・糖尿病の方

こういった方の場合、バイアグラを処方することが出来ません。 でもご安心ください。結論から申し上げましょう。 心臓病や高血圧の方もICI療法(陰茎海綿体自己注射)は受けられます。 これは、バイアグラとICI療法では、身体への効き方が違うからです。

狭心症:硝酸薬+バイアグラ=危険!!

心疾患のうち、特に「狭心症で硝酸薬(ニトロ系)を処方されている方」はバイアグラを飲むことは危険です。 狭心症では、心臓に張り巡らされた「冠動脈」という血管が狭くなってしまいます。 すると心臓がうまく動かなくなって発作や息苦しさを覚えたりするのです。 これに対して、「硝酸薬」という薬は血管を拡張させる働きがあります。 血管が拡張することで、細くなっていた冠動脈が太さを取り戻します。 こうして血液をスムーズに流すことで、発作を抑えます。

バイアグラにも似たような働きがあります。 バイアグラが開発された経緯からお話しましょう。 そもそもバイアグラは、血管を広げて血圧を下げる目的で開発されたお薬です。 その開発の中で、「全身の血管を広げて血圧を下げる効果」よりも「ペニスの血管を広げる作用」の方が強く出るということが分かり、現在EDに対して処方されているのです。 そう、全身の血管を広げる作用もあるのです。

考えてみてください。 もともと狭心症で血管を広げる硝酸薬を飲んでいる上に血管を広げるバイアグラを飲んだら… そう、ダブルパンチの状態となってしまうのです。

大変危険であることが、わかっていただけるかと思います。

高血圧+バイアグラ=危険!!

高血圧の方は、治療として血圧を下げるお薬(降圧薬)を飲んでいることがあります。 先ほどお話した通り、バイアグラは体の血管を広げる、つまり血圧を下げる作用もあります。 降圧薬で高血圧をコントロールしているときに、バイアグラを飲んだらどうなるでしょう? そうです、血圧が下がりすぎて危険です。

糖尿病によるED+バイアグラ=危険!!

糖尿病になると、高血糖の状態が続きます。 高血糖の状態が続くと何がいけないのでしょうか。 結論から申しますと、血管と神経がボロボロになるのです。 これまでお話ししてきたように、バイアグラは全身の血管を広げる働きがあります。 全身の血管が広がると血流量が増えるため、高血糖のせいでボロボロになっている血管にダメージとなるのは明らかでしょう。 糖尿病によるEDの場合には、バイアグラを服用することは危険であることがわかると思います。

バイアグラが使えなくても諦めないで!

バイアグラはペニスの筋肉を弛緩させて血管を広げるのですが、飲むタイプのお薬ですので、効果が全身に広がります。 血圧が下がるのも、そういった全身への影響のためでしょう。 一方で、ICI療法では、プロスタグランジンE1を中心とした複数の薬剤を針でペニスに「直接」注入します。

これだけです。

これにより、ペニスの筋肉が緩み、血管が広がります。 陰茎に直接注入するため、バイアグラのような全身への影響が少ないのが特徴です。 それゆえ、バイアグラが使えないEDに対しても効果が期待できるのです。

2)バイアグラが効かない方はICI療法をご検討ください。

バイアグラは、勃起を抑えようとする物質のはたらきを邪魔することで、勃起「した」状態を持続させる薬です。 つまり多少弱くなった勃起する能力を助ける薬です。 …誤解を恐れずに簡単に言いましょう。「シゲキがなければ元も子もない」のです。 ですから、

a.神経を切断されて勃起するための刺激自体をほとんど失った「外科手術後のED」
b.性的刺激によって興奮できない「心因性ED」

にはバイアグラは効きにくいのです。 一方で、ICI療法では薬剤がペニスに直接作用します。 神経の刺激も、性的刺激も不要です。 ですから、バイアグラが効かないEDに対しても効果が見込めるというわけです。

3)最後に

ICI療法では、実に98%程度の方に効果を発揮します。 確かに、ED治療薬はEDの実に80%に効果がある、ともされています。 でも、逆に言えば、20%の方はバイアグラをもってしても満足に勃起できないわけです。 そんな20%の方にも勃起を実感してもらいたい。

そういった熱意が、ICI療法には感じられるようにも思います。